Photo: Lukas Souza | Simple Flying
ユナイテッドエアラインズ・ベンチャーズUnited Airlines Ventures(UAV)は、オキシ低炭素ベンチャーズOxy Low Carbon Ventures (OLCV)と共に、セムビタファクトリー Cemvita Factoryとの提携を発表した。目的は、二酸化炭素(CO2)と合成微生物を用いる新プロセスによるサステナブル航空燃料(SAF)製造の商業化だ。
空気から燃料を作る?
空気から燃料をつくる仕組みの前に、SAFの概要を見てみよう。サステイナブル航空燃料は、食用油、都市ごみ、バイオマスなど再生可能な炭化水素資源が原料だ。重要なのは、これら資源が持続可能で、 容易に補充でき、化石燃料ではないことだ。
標準的なジェット燃料はケロシンベースだが、炭素排出量が多い。標準ジェット燃料は地球にとって非常に有害で、このため、世界各地の航空会社は将来的にSAFの使用を約束している。
2021年10月4日、国際航空運送協会(IATA)は、航空運送業界が2050年までに炭素排出量を正味ゼロにするとの決議を採択した。
薄い空気からどうやって燃料ができるのか。セムビタファクトリーによると、「合成生物学により二酸化炭素を化学物質や代替燃料に変え、持続可能な航空燃料も作る」。同社は、重工業分野の脱炭素化を支援するため、二酸化炭素を燃料に変える微生物学の応用を見いだしてたという。
「セムビタファクトリーは、ユナイテッドとオキシーと提携し、エキサイティングな開発ができることを嬉しく思います。ユナイテッドエアラインズが航空業界の脱炭素化取り組みをリードしていることを称賛し、OLCVと再び協力してより広い規模でソリューションを提供できることを誇らしく思います」 モジ・カリミMoji Karimi(Cemvita共同創業者兼CEO)。
SAFがユナイテッドに重要となる意味
ユナイテッドは、他社より大規模にSAFに投資している。
「気候変動対策に関して、ユナイテッドは大胆に航空業界をリードしてきました。セムビタファクトリーのような企業を中心にエコシステムを構築し、新しいSAF技術を生み出し商業化することで始まります。これは世界的な要請で、OLCVとの協力は、セクターを超えた関係をめざし、持続可能性実現への当社目標に一致する企業と協力していく姿勢の反映です」 ユナイテッド航空ベンチャーズ社長 マイケル・レスキネンMichael Leskinen
セムビタファクトリーは、ヒューストンが拠点のバイオテクノロジー企業で、UAVも出資している。 共同発表したOLCVは、セムビタファクトリーに創業投資したオキシデンタル(Oxy)の子会社。
セムビタは、UAVの投資先で3つ目のSAF関連技術企業だ。ユナイテッドは2050年までにネットゼロエミッション達成を目標としており、そのためUAVは2021年に誕生した。
2016年、ユナイテッドはワールドエナジーのSAFを通常運航での継続使用に成功。その他ユナイテッドの実績は次の通り。
2021年7月、『エア・トランスポート・ワールド』誌がユナイテッドを3度目のエコ・エアライン・オブ・ザ・イヤーに選出
2021年7月、ユナイテッドはブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズおよびメサ航空と、電気飛行機の新興企業ハート・エアロスペースHeart Aerospaceに投資を発表した。同社は再生可能電力を動力源とすればゼロエミッションで有償飛行できる19人乗りの電気航空機ES-19を開発中
2021年12月、ユナイテッドは航空史上初めて、100%持続可能な航空燃料で乗客を満載した航空機を飛行させた
ユナイテッドは、「グリーン・コミットメント」を掲げるリーディングエアラインとしての地位を固め、今日の発表のように、コミットメントを示し続けている。■
United Airlines Wants To Make Jet Fuel From Thin Air
PUBLISHED 19 HOURS AGO
How can jet fuel be made from thin air?
0 件のコメント:
コメントを投稿