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ボーイングにとって2024年は記憶から消し去りたい年になった。737 MAXの事故からストライキに至るまで、同社が次から次へと危機を切り抜ける中、株価も大打撃を受けた。そして最近の報告書では、同社がこの1年でダウ・ジョーンズ指数の中で大きく足元をすくわれていたたことが浮き彫りになった。
2024年にボーイング株が急落
ボーイングは、2024年に株価が大きく下落した。ロイターのレポートによると、この米航空機メーカーは2024年のダウ・ジョーンズ指数で最大の損失となりそうで、株価が32%下落したことを強調している。
このレポートは、ボーイングの株価が257.50ドルであった2024年の初めまで遡る。 しかし、アラスカ航空のボーイング737 MAX 9の空中吹き飛ばし事故により、事態は制御不能に陥り、ボーイングはしばらくの間、自由落下を余儀なくされた。
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一方、エアバスは、ロイターが指摘するように、ベンチマークであるS&P500が23%以上上昇する中、11%の株価上昇となった。
ボーイングの評判への打撃は非常に大きく、最近起きた済州航空のボーイング737-800型機の悲劇的な事故でも、事故の正確な原因が特定される前に同社の株価に影響を与えた。
困難な年
2024年はボーイングにとって困難な年だったと言っても過言ではないだろう。 同社のベストセラー機での重大事故や厳しいFAA(連邦航空局)の規制、生産に影響を及ぼすサプライチェーン問題、労働の衰弱を招くストライキなど、航空機メーカーは複数の問題を抱え続けた。
すべては悪名高いアラスカ航空のボーイング737 MAX 9のドア空中吹き飛ばし事故から始まった。ありがたいことに、乗客と乗員は全員助かったが、この事故がボーイングにとって1年の基調となった。
業界の専門家、航空会社、そして世界のメディアがボーイングの欠陥生産方法に注目するなか、連邦航空局はMAX型機の生産を月38機までに制限した。しかし、グローバル・サプライチェーンの現状を考えると、ボーイングはその目標すら達成できていない。
同社はまた、当時のCEOデーブ・カルフーンへの信頼が薄れ、上層部の大異動につながるリーダーシップの危機に直面した。カルフーンが退任を決めたとしても、後任を見つけるのは容易ではなかった。
最終的に、長い調査の末、30年以上の業界経験を持つ元ロックウェル・コリンズのリーダー、ケリー・オートバーグが同社のトップに選ばれた。オルトバーグが落ち着くのにそれほど時間はかからず、ウィチタにあるスピリット・エアロシステムズの施設を訪れるなど、傷ついた会社を癒すべく、すぐに動き出した。
しかし、9月に始まった約2カ月間におよぶストライキでは、33,000人以上が給与体系や福利厚生の改善を求めて職場を放棄したすでに生産上の問題や顧客の信頼低下と戦っていた同社に大きな打撃となった。
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ストライキは11月上旬に終結し、国際機械工・航空宇宙労組は38%の賃上げを約束した会社側の4度目の正式提案を受け入れた。しかし、業界の専門家によれば、この試練のためにボーイングは50億ドル以上の損失を被ったという。
その間、ボーイングは工場での疑わしい労働方法に関する内部告発にも直面し、さらに苦境を深め、イメージとブランドに影響を与えた。
ピースの拾い上げ
2025年のボーイングは、失地回復に向け、何事もない1年を望んでいることだろう。ボーイングにとって喫緊の課題は、頓挫した航空機生産工程を軌道に乗せ、ストライキ前のレベルに徐々に到達させてから、さらに航空機の生産を増やすことだ。
不必要に資金を流出させないよう財務をチェックし、顧客との信頼関係を再構築し、労働文化を改善することが、今年の同社のToDoリストの上位だろう。2025年のボーイングに幸運が訪れることを祈りたい!■
Boeing Set To Become 2024's Biggest Loser As Shares Dropped Nearly 30%
By
https://simpleflying.com/boeing-2024-biggest-loser-shares-30-percent/
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