米新興エアラインニュー・パシフィック(ノーザン・パシフィック改め)はチャーター運行中心へ方針転換。太平洋横断路線開設で日本乗り入れの夢は後退。

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Source: New Pacific Airlines


米新興航空会社ニュー・パシフィック、定期便運行からチャーター便に軸足を移す 

太平洋横断路線開設で日本乗り入れの夢は?


国の新興航空会社ニュー・パシフィックエアラインズは、定期旅客便で苦戦を強いられていることから、チャーター便中心の運行に切り替える。

 3月22日、同社の最高経営責任者(CEO)ロブ・マッキニーはFlightGlobal取材に対し、「ルールその1は、ビジネスにとどまることだ。そして今、我々は(チャーター便を)最も手近な果実と見なし、短期的にはチャーター便市場に全力を注ぐ」と述べた。

 アラスカ州アンカレッジを拠点とするニュー・パシフィックエアラインズ(旧ノーザン・パシフィックエアラインズ)は、2023年7月の就航以来、定期旅客便とチャーター便を運航してきた。

 しかし、3機ある旧式ボーイング757型機は、チャーター便に使用する一方、定期便運航は現在のロサンゼルス、ナッシュビル、リノのネットワーク以上に拡大することはないだろう。

 マッキニーは、同社が存続するためには、「機敏に動き、軸足を移す」必要があると言う。「収益性を最大化し、成長し続け、機材を増やし続けるため、定期便よりチャーター便に重点を置くことになるだろう」。

 そのため、同社は、フロリダを拠点とし、スポーツチームやコンサート来場者、政府機関向けにチャーター便を運航するエレベート・エイビエーション・グループと契約を結んだ。エレベートは、この契約を通じてチャーター契約をニュー・パシフィックに回す。

 「この関係の結果、いくつかのメジャーなスポーツチームが関わることになると思います」とマッキニーは言う。過去には、エレベートは大統領選挙キャンペーンにも関わった。

 マッキニーは、同社の長期的なビジョンに変わりはないと主張している。アンカレッジを中継地として、アメリカ西海岸からアジア市場に太平洋横断便を就航させることだ。同社はこれまで、ロサンゼルス郊外のオンタリオ国際空港から757便を運航してきた。

 1月、ニュー・パシフィックは、航空管制の問題や滑走路閉鎖に関連した地上での遅延が続いたため、ラスベガス便を減便した。

 「ナッシュビルは非常に好調で、リノもそう遠くありません」とマッキニーは言う。「ラスベガスの業績は問題なく、むしろサービスの問題で、数時間に及ぶ地上待機が恒常化していました」。

 チャーター便運航が成功し、ニュー・パシフィックの機材が増加し始めたら、「定期便の就航地候補を厳しく検討する」とマッキニーは言う。

 ニュー・パシフィックは、757の追加入手を視野に入れており、エアバスA321XLRによる長距離路線にも長期的な関心を持っているが、今のところは757のメンテナンスとパイロット訓練に全力を注いでいる。

 「A321XLRは、アンカレッジから日本、そしてアンカレッジから東海岸への移動に必要なステージ長を持つ唯一のナローボディであるため、当社の太平洋横断モデルに最適な機体です」とマッキニーは言う。「他社が757から撤退しており、757型機は入手可能であり、新造機よりも手頃な価格です」。

 マッキニーは、757がオンタリオからリノやラスベガスへの短距離フライトでは理想的なプラットフォームではないことを認めている。しかし彼は、いずれはこの機種で長距離便を就航させたいと考えている。

 アメリカで新しい航空会社を立ち上げることの難しさについてマッキニーは、このビジネスには高いコストと低い利幅がつきものだと言う。「サービスの存在を知ってもらう必要があり、それに時間がかかる。認知されるまで空席だらけの飛行機を飛ばすのは大変なことです」。■


Start-up carrier New Pacific pivots to charters as scheduled service lags | Interview | Flight Global

By Howard Hardee23 March 2024



 

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