GE90ターボファンに「鉄混入」欠陥の可能性
米連邦航空局(Federal Aviation Administration)の新しい規則案により、GEエアロスペース製ターボファンのコンプレッサー部品に「鉄混入」の欠陥がある可能性があることが明らかになった。
米国政府が9月1日発表した規則案が最終決定されると、航空会社に対し、一部のGE90エンジンの内部部品の交換を「今後の飛行前に」義務付けることになる。
影響を受ける部品に高圧タービンディスク、ロータースプール、コンプレッサーシールが含まれる。
FAA提案の耐空性指令(AD)は、GEエアロスペースエンジン数種類に、FAAが「鉄含有が疑われる動力金属材料」で製造された部品が含まれているとの調査結果に対応する一連の規制命令の最新版となる。
「鉄混入は製造工程の欠陥に起因するものであり、材料特性の低下や疲労寿命の低下を引き起こす可能性がある」。
GEは、同案は「当社が事業者に推奨しているこれまでの勧告と一致しており、安全管理への当社の積極的なアプローチを反映している」と述べている。また、この問題は飛行安全上のリスクをもたらすものではなく、問題を理解し、是正措置を講じているとしている。
2022年、規制当局は、GE90、GEnx、CFMインターナショナル・Leapターボファンの一部に、同様に汚染された材料を使用して製造された部品がある可能性があるとのADを発表していた。今年にはいり、規制当局はさらに多くのLeapとGEnxが影響を受けている可能性があると発表した。
CFMをサフラン・エアクラフト・エンジンズと共同所有するGEエアロスペースは、Leapコンプレッサー、燃焼器、高圧タービンを製造している。Leapはボーイング737マックスとエアバスA320neoファミリーに搭載されている。GEnxターボファンは787に、GE90は777型機に搭載されている。
FAAの最新の命令案は、GE90の内部の多数部品で、鉄の混入が見つかった他部品で使用された材料から作られていることをGEが発見した後に出された。
同提案は、45日間の意見募集期間終了後、最終命令となる。最終決定となれば、航空会社は影響を受けるGE90高圧タービン第1段階と第2段階のディスク一部を、今後は飛行前に交換することを義務付けられることになる。航空会社は、影響を受ける他の部品を交換するために、より多くの時間を強いられる。
FAAは、「この状態に対処しないと、破片の放出が収まらず、エンジンや機体の損傷につながる可能性がある」と述べている。
GEエアロスペースはすでに航空会社にこの問題を通知している。
ターボファンの金属部品を含む製造上の欠陥に対処しているのは同社だけではない。
プラット・アンド・ホイットニーは同社のPW1000Gギアード・ターボファン(A320neoファミリーのジェット機に搭載されている)の約1,200機に、「汚染」された可能性のある金属で製造された高圧タービンディスクが含まれている可能性があると7月に明らかにしていた。■
More GE90 turbofans subject to ‘iron-inclusion’ defect | News | Flight Global
By Jon Hemmerdinger2 September 2023
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