787で新たな問題発生。組付けミスで機内水漏れが発生し、電子機器に支障。FAAは新規AD発出を検討中。



FAAの新規ADは水系統の目視点検でクラムシェルカップリングの不適切な取付がないか探すよう求めている




米連邦航空局は、ボーイング787ドリームライナーで新規耐空性改善通報(AD)を提案している。提案は、飛行中に水圧が失われ、水漏れが敏感な電子機器に影響を及ぼしたとの報告を受けてのものだ。

 ADは、ボーイングの787-8、787-9、787-10型機に適用され、うち134機が米国登録の機材だ。案では、エイビオニクス・コンパートメントへの水漏れ報告を受け、化粧室ドアと調理室の飲料水システムに、クラムシェル・カップリングの欠落や不適切な取付けがないか詳細な目視検査を求めている。

  提案内容には関係者が2023年1月27日までコメントできる。


提案の背景

FAAは今週、飛行中に水圧が失われ、水漏れが電子機器に影響を及ぼしたとの報告を受けたと確認した。ボーイング787ドリームライナーの運航会社の1社は、化粧室内のクラムシェルカップリングが誤って取り付けられていたため飲料水システムのホースが緩み、重大な水漏れが発生したと報告してきた。

 運航乗務員からも、クラムシェルカップリングの緩みによる水漏れが報告されている。水漏れは前方中央の調理室のカウンタートップの下、灰色水インターフェースバルブのメンテナンスアクセスコンパートメントに隣接して発生し、飛行中に水圧が失われた。着陸後、地上職員は飲料水システムの漏水が前方電器ベイに浸入し、電子機器に影響を及ぼしていると発見した。

 ボーイングは、2022年8月にこの状態について運航各社に通知し、潜在的な問題の診断と運航会社に対する改善策の提案でFAAと緊密に連携してきた。両者は、ラバトリーおよびギャレーのクラムシェル・カップリングの不適切な取り付けや欠落は、対処しないと水漏れや重要な飛行機器の損傷の可能性があり、航空機の安全な飛行と着陸が損なわれる点で同意している。土曜日にSimple Flyingが接触したボーイング広報は、同社が対策案を支持すると確認した。

 「以前も運航各社にガイダンスを発行し、そのガイダンスを義務化するFAAの提案を完全にサポートしています」。


次に来るものは?

提案中の規則制定通知(NPRM)では、影響を受ける箇所の目視検査を求めている。影響を受ける航空機を運航する各航空会社は、すべてのドア1およびドア3の化粧室および調理室の飲料水システムにおいて、クラムシェルカップリングの欠落や不適切な取り付けがないか詳細な目視検査が求められる。

 さらに、クラムシェルカップリングの取り付け、リークテスト、リークテストが検査に合格するまでの是正処置も行う。この点検は、トイレや調理場ごとに1時間、1時間85ドル、合計11,390ドルの費用と見積もられている。

 ボーイングは、これまでにも通知を受けてきた。以前の耐空性改善通報は、減圧パネル問題で昨年の発行で、前方および後方貨物室を目視点検し、外れたり損傷しているデコンプレッションパネルを発見するよう求められた。そして、影響を受けたパネルは、再装着または交換された。

 米国の主要航空会社3社はすべてボーイング787を飛ばしている。最大の運航会社はユナイテッドエアラインズで、同機種に対して過去最大の発注を行ったばかりだ。■


FAA Proposes Airworthiness Directive For Boeing 787 Equipment Water Leaks

BY

JONATHAN E. HENDRY

https://simpleflying.com/faa-airworthiness-directive-boeing-787-water-leaks/

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