787を100機、737MAXを100機、機材人員の大幅拡充で業界の覇権取りを狙うユナイテッドエアラインズの遠大な計画

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Source: United Airlines



ユナイテッドエアラインズは、ボーイング787ドリームライナーを100機発注し、さらに100機の購入オプションを取得した。これは、米国の航空会社による過去最大のワイドボディ機発注だ。

 さらに、シカゴに本社を置く同社は12月13日、737 Maxを100機発注したと発表した。これは、2024年から2026年の間に納入されるオプション44機と、2027年から2028年に納入される56機の追加注文から成る。

 今回の発注は、「世界有数のグローバル航空会社、そして米国のフラッグキャリアになる」というユナイテッドの目標に基づくもので、CEOのスコット・カービーは次のように語っている。ユナイテッドは、2024年から2032年の間に新型ドリームライナーを受領する。


「今回の発注は、世界中のより多くの人々をより多くの場所につなぎ、空の上で最高の体験を提供するという当社の計画を加速させ、当社の主導権をさらに強固なものとし、お客様、社員、株主の皆様に新たな機会を創出します」と述べている。

 その他機材まで含めると、ユナイテッドは2032年末までに約700機の新型航空機を導入する。2023年には平均週2機、2024年には「週3機超」になると、ユナイテッド航空は述べている。

 787は、ユナイテッドの老朽化した767(2030年までに退役予定)と777一部を置き換える。

 「これらの航空機は代替機とお考えください」と、最高財務責任者ジェリー・ラダーマンは言う。「この10年で、767型機と777型機の約120機が30歳を迎えます。実際、最も古い767はすでに30歳を迎えています」。

 「それらの機体がなくなるのはとても悲しいことですが、そろそろ引退について考え始める時期です」。と語っている。

オプション100機については、「国際的なフランチャイズを拡大するチャンスとお考えください」とラダーマンは言う。

 Ciriumの保有機データによると、ユナイテッドは現在65機の787を運航している。787-8が11機、787-9が38機、787-10が16機。今回の発注の機種別内訳は明らかにされていない。

 ユナイテッドはまた、エアバスA350ワイドボディーを45機発注している。同社幹部は、この発注に変更はないが、納入を数年先送りすることでエアバスと合意したという。ラダーマンによれば、これらの航空機の最初の納入は「早くても2030年まで」来ないとのことだ。

 「787とA350はどちらも素晴らしい航空機です」とカービーは付け加えた。「しかし、私たちはすでに787を大量保有しており、年間2,500人のパイロットを採用し、航空会社を成長させようとしているこの世界では、新機種導入はそれを劇的に遅らせることになるのです」。

「350と787の話をするのに適切な時期は、777の大部分を入れ替えるときで、10年後以降になります」。


より多くのMAX

ナローボディ機では、ユナイテッドはMax 8を27機、Max 9を42機運航中。今回明らかになった取引を含めると、同社は現在443機のMAXを発注しており、そのうち少なくとも236機は大型で未認証のMax 10型機だと判明している。

 737 Max 7もまだ連邦航空局の認証を待っている。

この2機種は、Maxの2件の死亡事故を受け可決された2020年の法律により、12月下旬に米国で新たに認証されるすべてのジェット機に最新のパイロット・アラート・システムを搭載することが義務付けられる。Max 7とMax 10にこのようなシステムを追加するには、コストと時間がかかり、レガシーな警告システムを持つMax 8やMax 9とは異なるものになる。

 ボーイングは、この要求事項の除外を求めてきた。しかし、先週、議員は防衛支出法案からその措置を除外し、2型式の認証道筋にさらなる疑問を残した。

 カービーは、除外措置が実現することに「それなりに自信がある」としながらも、実現しない可能性は「非常に小さい」と見ている。

 その場合、「発注をMax 9に変更し、エアバスA321をさらに購入することになり、ボーイングから補償を受けることになるので、財政的にはユナイテッドにとって大きな問題にはならないだろう」と彼は付け加えた。

「でも、次の議会で成立するのは間違いない」と付け加える。

 ユナイテッドは2023年に約90億ドル、2024年に約110億ドルの設備投資を見込んでおり、ほとんどは新型機に費やされると、ラダーマンは付け加えている。

 人事面では、今年15,000人を新規採用し、うち約2,400人がパイロットとカービーは説明。来年はさらにパイロット2,500人を採用する予定で、10年間で10,000人のパイロットを増やすのが目標だ。さらに、今後数年間で18,000人以上の客室乗務員が新たに入社し、2026年までには7,000人以上の整備士が入社する。■


United hands Boeing order for 100 787 Dreamliners and 100 737 Max | News | Flight Global

By Pilar Wolfsteller13 December 2022


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