2022年9月10日土曜日

超音速飛行の要、エンジンでロールスロイスが撤退。エンジンを今から探すブームのオーバチュアは予定通りの初飛行にたどり着けるのか

 


ブームは、米国内で建設予定の新施設でOvertureの組立て、製造、飛行試験を行う。Boom社


ロールス・ロイスによる有望なパートナーシップが突然消え、ブームは新たなエンジンメーカーを模索することになった



2020年6月、ロールス・ロイスとブームは、超音速機「Overture」向けエンジンの共同研究を発表した。今週、同社は「超音速航空は優先事項ではない」と宣言し、撤退した


プロジェクト開始当初は大きな期待



 ブームとのコラボレーション開始にあたり、ロールス・ロイスの戦略部門-民間航空宇宙担当ディレクター、サイモン・カーライルSimon Carlisleは次のように述べていた。

「当社は、超音速飛行と航空分野でのサステナビリティ戦略について、ブームと大きな関心を共有しています。当社はこの分野での貴重な経験と、これまでの共同作業を基に、ブームのOvertureのため当社のエンジン技術を適合させ、改良しています」。

 ロールス・ロイスは、50年以上前にコンコルドに4基のオリンパス593エンジンを搭載し、ブームのエンジンパートナーになることは明白だった。同社は、少なくとも現時点では、超音速民間航空機に食欲を失い、立ち去った。

 火曜日にAviation International Newsが最初に報じたところによると、ロールス・ロイスは以下発表した。

「当社はBoomとの契約を完了し、同社の超音速Overture機向け各種エンジニアリングスタディを提供してきた。

「慎重に検討した結果、ロールス・ロイスは、民間航空超音速市場は現在、当社にとって優先順位が低いと判断し、したがって、現時点では、このプログラムに関するこれ以上の作業をしないことにしました。Boomチームと一緒に仕事ができたのは喜びであり、同社の今後の成功を願っています」。


ハードルになるか、しゃっくりにすぎないのか?

 他にエンジンパートナーがいないため、ブームは2026年の初飛行目標とOvertureの2029年就航を達成するために、すぐにもエンジンパートナーを見つける必要がある。数週間前、アメリカンエアラインズは、最大20機のオーバーチュアと、オプション40機の注文について、返金不可の手付金を支払ったと発表していた。アメリカンの最高財務責任者デレク・カーDerek Kerrは次のように述べている。

「超音速の旅は、当社がお客様に提供するサービスの重要な一部となるでしょう。ブームが、当社とお客様の両方にとって、旅行の未来をどう実現していくのか楽しみにしています」。



ブームは、ユナイテッドエアラインズ向け15機を含む、130機の超音速ジェット機を受注している。


 アメリカンエアラインズの発注は、ユナイテッドエアラインズと日本航空の発注とともに、帳簿に載った。日本航空はブームの約束に自信を持ち、2017年にオーバーチュア20機を予約注文した。ユナイテッドの注文は15機で、35機のオプションがあり、ブームによるとオーバーチュア発注は合計130機になる。今年のファーンボロ航空ショーで、同社はオーバーチュアの最新設計を公開し、4発機への移行でコメンテーターを驚かせた。小型エンジンを使うことで、既存のエンジン技術でマッハ1.7が実現できると考えた。あとは、この超音速飛行をわずか数年で実現する意欲と資源を持つパートナーを見つけるだけである。

 オーバーチュアは、乗客65〜80人を乗せ、巡航高度60,000フィート(18,300メートル)、マッハ1.7(時速1,300マイル)で飛行すうる設計だ。翼幅106フィート(32.3メートル)、全長201フィート(61.2メートル)、航続距離は4,250海里(4,888マイル)。ただ、エンジンがまだないがブームによれば、今年中には解決する予定だという。


Rolls-Royce Quits Boom Supersonic Airliner Engine Race

BY

MICHAEL DORAN

PUBLISHED 2 DAYS AGO



Michael Doran (297 Articles Published)

Journalist - A professional aviation journalist writing across the industry spectrum. Michael uses his MBA and corporate business experience to go behind the obvious in search of the real story. A strong network of senior aviation contacts mixed with a boyhood passion for airplanes helps him share engaging content with fellow devotees. Based in Melbourne, Australia.

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