パンデミック対策のきずあと。香港空港がトップ10から脱落。今やシンガポールがアジア最大の空港だ。

 


シンガポール・チャンギがアジアで利用客最大の空港だ。Photo: Changi Airport Group


在のアジアで利用客の多い空港トップ10のリストは、2019年から大きく異なっている。



 COVIDパンデミックが、民間航空のほぼすべての側面に劇的な影響を与えた。一部では落ち込みが他よりはるかに大きかった。香港国際空港は、パンデミック以前はアジアで最大のハブ空港だったが、デリーやクアラルンプールなど、香港よりも多く乗客を扱っう空港が現れており、今日の状況は大きく異なっている。


シンガポールがトップに躍り出た

分析・コンサルティング会社Sobie Aviationがまとめたデータによると、シンガポール・チャンギ空港は、流行前のリーダー香港を大きく引き離し、アジアで最も利用客の多い空港に浮上した。6月までの第2四半期で、730万人が利用した。

 South China Morning Postが報じたように、香港はアジアの空港のトップ10から脱落し、デリーのインディラ・ガンディー国際空港、バンコクのスワンナプーム空港がそれぞれ320万人で2位の座を分け合っている。

 トップ5には、ソウル仁川空港が290万人、クアラルンプー

ル国際空港が260万人でランクインした。

 同時期の香港国際空港(HKIA)の取扱人数が1910万人、以下ソウル仁川空港(1760万人)、チャンギ空港(1680万人)、バンコク・スワンナプーム空港(1230万人)、台湾の桃園空港(1230万人)と、2019年リストと様子が違う。


トップ10から脱落

2022年のHKIAは以前の面影を失っており、6月までの四半期で、同空港の旅客取扱数は59万1,000人だった。香港国際空港は、アジアで最も利用者の多いハブ空港として、パンデミック以前は常にトップの座を維持していた。

 しかし、世界の主要空港と対照的に、ウイルスを抑制するために厳格なCOVID対策を維持し続けている。同空港は、ホテルでの検疫期間を3日間に短縮し、さらに4日間の健康監視と検査で入国条件を少し緩和したが、この地域のその他目的地が緩和している中で、観光客にとってはまだ面倒なことのようだ。

 タイ、シンガポール、マレーシア、など東南アジアの多くの国では、ワクチンを完全に接種した旅行者には出国前COVID-19検査を取りやめ、到着後の検疫も不要とした。


HKIAはパンデミックで上位の座から滑り落ちた Photo:  Phillip Capper via Wikimedia Commons


香港の苦境

香港の厳しいCOVID-19政策と入国条件を考えると、アジアの金融センターとしての香港の存続に大きな疑問符がつく。アジア最大の航空会社の一つであったキャセイパシフィック航空も損失を抑えるのに苦労している。

 2022年上半期は、2021年上半期の75億6000万香港ドル(9億6300万ドル)の損失に対し、今回は49億9000万香港ドル(6億3700万ドル)の損失を計上した。キャセイパシフィックのパトリック・ヒーリーPatrick Healey会長は、より多くのフライト容量を運航する能力は、既存の検疫要件の下での乗務員リソースのボトルネックによって、厳しい制約を受けたままと述べている。

 香港がいつパンデミックの影響を脱するかはまだわからない。香港国際空港は、失われたコネクションを再構築し、現在のような負のスパイラルに陥らないよう迫れられるはずだ。■


Hong Kong Slips From Top 10 As Singapore Changi Becomes Asia’s Busiest Airport

BY

GAURAV JOSHI


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