アメリカンエアラインズは同社パイロットに大幅賃上げを提案しているが、組合は会社の「ミートゥー」アプローチに不満を持っている。
最近のパイロットの増強傾向を見る限り、需要と供給の法則は航空会社の従業員に傾いているようだ。木曜日、アメリカンエアラインズCEOのロバート・アイゾムRobert Isomは、社内ビデオで、同社が新労働契約で17%近い昇給をパイロットに提案したと明らかにした。提案には、契約時に6%の昇給、その後2023年と2024年の年始に5%昇給が含まれる。
アメリカンエアラインズのパイロットを代表する連合パイロット協会(APA)は6月、給与問題で会社側が主導権を握れなかったと激しく批判している。APAは、アメリカンが交渉を進める前に、他の航空会社のパイロット給与がどうなるか「様子を見る」としたイソムCEOの以前の発言に言及したのである。APA会長のエリック・ファーガソン機長Captain Eric Fergusonは、声明で次のように述べている。「我々はイソム氏に対し、静観するアプローチを再考し、アメリカンエアラインズの経営陣には異質と思われること...つまり主導権を握るよう強く求める」 と述べた。
賃上げでアメリカンエアラインズのコストに20億ドル上乗せ
アメリカンエアラインズのワイドボディ機パイロットは、新提案が批准されれば、大幅な賃上げが見込まれる。Photo: Getty Images
Dallas Morning Newsによると、アメリカンエアラインズの提案は、同社のパイロット12,7600人に約20億ドルの追加報酬をもたらすという。アメリカンのナローボディ機長の年収は34万ドルとなり、現在の年収から4万5千ドル増加する。ボーイングB787などワイドボディ機のパイロットは、64,000ドル値上げとなり、年間425,000ドルの収入を得ることになる。アメリカンの保有機材は914機で、ch-aviation.comのデータによると、88%がナローボディ機のエアバスA320系456機とボーイングB737系345機で構成されている。ワイドボディは、ボーイングB777が67機、B787が46機。
今回の提案は、ユナイテッドエアラインズとパイロットが18ヶ月以内に14%以上の賃上げを含む暫定合意に達したのを受けてのものだ。社内配信映像で、イソムはこう語っている。
「数週間前、私はパイロット、そして全社員に対して、アメリカンエアラインズの社員は何があっても高給で、競争力のある給与を受けられると約束した。その公約には、ユナイテッドの暫定協定の詳細が判明した時点で、パイロット案を改善するとの約束も含まれていた」。
パイロット不足から地域航空会社も給与アップへ
アメリカンエアラインズの地域航空会社は、パイロットの大幅賃上げで経営を安定させようとしている。Photo: Getty Images.
直接的な賃金の問題以外にも、APAはスケジュール管理の改善、予備飛行の時間短縮、その他の生活の質の問題を訴えてきた。イソムCEOによると、パイロットに確実性を与え、代替飛行に関するコントロールを強化することで、これらに対処しているという。提案には、退職金口座の16%増額と利益分配の改善も含まれる。パイロットとAPAに対する圧力を微妙に高め、イソムは9月30日までに契約案の締結を望み、時間枠を満たすためにボーナスと遡及払いの追加を約束している。
パイロット不足は地域航空会社に大きな影響を与え、フライトのキャンセル数百件を引き起こしている。6月、アメリカンエアラインズの地域航空会社であるエンボイ・エアは、パイロットに3倍の給与を提供し、キャンセルの危険性があるフライトを引き受けるよう提案した。同社は、「顧客のために信頼できる運航を確保する」ため、7月の休日にカバーされないフライトを飛ぶために、パイロットに3倍の給料を提供するとしている。アメリカンの地域子会社ではエンボイ・エア以外に、ピードモントエアラインズ、PSAエアラインズが、パイロット不足の緩和をめざし、2024年8月まで一時的に50%賃上げを行うと発表している。
Simple FlyingではアメリカンエアラインズとAPAに問い合わせ中で、回答があればこの記事を更新する。■
American Airlines Pilots Set For Significant Pay Rise
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