空前の需要増で業績上昇のスピリットエアラインズはコロナ後の新顧客像「ブレンデッドトラベラー」にも対応を怠らない。

 

Photo: Vincenzo Pace | Simple Flying


ピリットエアラインズは、空前の需要増に直面し、新路線を追加しながら、直前予約に対処する新方法を見出そうとしている。

2月にフロンティアエアラインズとの合併案が発表されて以来、スピリットをめぐるニュースのほとんどは、財務欄で扱われてきた。しかし、スピリットは新路線やサービスを提供し続てきた。

フロンティアとジェットブルーの騒動が終息に向かうなか、プエルトリコで最近開催されたCAPAのAmericas Aviation and LCCs Summitで、スピリットのEVP兼チーフ・コマーシャル・オフィサー、マット・クラインMatt Kleinは、27年のキャリアで最大の乗客需要だったと語った。3月に春休みやイースターの旅行予約が殺到し、現在は非常に高水準の予約が高止まりしていると語った。また、価格設定は非常に健全で、この時期には考えられないレベルの予約カーブだと述べた。「つまり、夏の旅行で普通考えられないくらい高い運賃を設定できるようになったのです」。

ブレンデッドトラベラーとは?

スピリット航空はここ数十年で最も需要が高く、非常に高い稼働率で航空機を運航している。 Photo: Getty Images

ブレンデッドトラベラーとは、レジャーとビジネス旅行を組み合わせる顧客を表す概念で、クラインは、自宅からリモートで仕事する人にも当てはまることが多いという。転職やリモートワーク、研修など、従来の出張と異なる形で飛行機を利用する顧客が多くなっているという。これにより、多くの旅行が生まれ、VFR(友人や親戚を訪ねる)旅行とビジネス旅行がひとつになった新しい顧客層が生まれたという。一例として、クラインはこう語った。

「以前ニューヨークに住んでいて、仕事のためナッシュビルへ引っ越して、家族や友人はニューヨークにいる場合、前は純粋に休暇やVFRの交通手段だったかもしれないが、両方向のフライトが多くなる」。

パンデミックで多くが変わったが、そのひとつが、予約からフライトまでの時間だ。米国、ラテンアメリカ、カリブ海諸国について、クラインは、COVIDの発生時、予約曲線は「極めて異常な」7日間に短縮されたと述べています。今日、「正常に戻る」はほとんど意味がないが、スピリットはCOVIDの影響に対応して曲線が縮んだり広がったりし、スケジューリングのキャパシティに大混乱をきたすのを目の当たりにしている。

需要の急増は新しいことではないが、新しいのは、人、航空機、空港サービスなど対応するリソースが整っていないことなのだ。そのため、空港やスケジューリングに問題が発生した場合、解決のためのリソースが用意されてきた。「空港や乗務員のスケジュール管理、収益管理部門に適切な規模のスタッフがいることは分かっていましたが、それらのグループの中には、役割を満たすのに本当に苦労しているところもありました」と、彼は言う。

中南米とカリブ海がスピリットの成長スポット

フォートローダーデールはスピリット航空の人気スポットであり、サンフアン便のジャンプポイントにもなっている。写真:Vincenzo Pace Vincenzo Pace I Simple Flying

成長機会を求め、スピリットは中南米とカリブ海地域で存在感を高める決定をし、ネットワークの約20%まで増やした。重要なのはプエルトリコのようなVFRトラフィックで、休暇旅行ではないため低運賃が不可欠だとクラインは言う。休暇旅行では、ラスベガス、オーランド、ロサンゼルス、ニューヨークなど、人々が行きたいと思う場所に運行したいとする。また、クラインは「スピリットでは、低運賃とポイント・ツー・ポイントのサービスで、旅の機会を作ります」。

ブレンデッドトラベラーはこのコンセプトに共感するだろうか?■

Spirit's Low Fares And Direct Routes Are Perfect For Today's Blended Passenger

BY

MICHAEL DORAN


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