クロスオーバー・ナローボディ機の導入が進む中、エンブラエルE-Jets E2やエアバスA220シリーズを運航する各社は、フライト中も乗客に楽しんでもらおうと工夫を凝らしている。
機内エンターテインメントには様々な形態があり、組み込み型システムを選択する航空会社もあれば、短距離路線で、機内の中央装置からコンテンツをストリーミングする携帯デバイスを選択する航空会社もある。また、コンテンツ配信用のボックスを用意し、乗客が自分のスマートフォンやタブレット、ラップトップなどデバイスでログインできるようにしている航空会社もある。
ジェットブルーJetBlueは、第1世代エンブラエル190で採用した戦略を継続し、今後導入するA220-300(同社は100機発注分の引き渡し初期段階にある)でも無料の映画とDIRECTVを提供する。Thalesの AVANT IFEシステムで機能を提供し、ViaSat-2がJetBlueのFly-Fiブランドの接続機能を提供する。また、乗客はUSB-C、USB-A、AC電源でデバイスを充電できる。
米国で最新の航空会社ブリーズ・エアウェイズBreeze Airwaysは、ジェットブルーと同じくデビッド・ニールマンDavid Neelemanが設立した会社で、全機クロスオーバー・ジェットの運航会社として設立された。機材は80機のA220-300が中心だが、立ち上げ期にはE190とE195のエンブラエルEも飛ばしていた。
ブリーズのIFE戦略は、乗客が自分のデバイスを使う間にコンテンツを提供するというもの。ブリーズは2022年3月にViasatと契約し、ViasatがA220全機に機内接続サービスを提供すると発表している。「ブリーズは5月からエアバスA220を運航するが、Viasatの接続機能を搭載する1号機は2022年10月に就航する」とViasatは説明する。
E-Jet機には、アヌーブAnuvuのワイヤレスIFE(W-IFE)を使用したストリーミングサービスを昨年の運航開始に合わせて導入され、すべてのハードウェア、エアタイムの乗客ポータル、コンテンツサービスの提供を含む。
Viasatのシステムは各機能を提供する以外に、プロバイダーの高速ストリーミング・インターネットも搭載し、ブリーズによれば、ユーザーは地上と同等に利用できるという。「Breezeの乗客乗員にコンテンツ豊富な機内インターネット体験を提供する鍵は、Viasatネットワークが提供する衛星帯域幅です」と、同社は指摘している。
ニールマンがブラジルで設立した別の航空会社Azulは、第一世代エンブラエル195の大半で、無料のライブテレビを全席に提供している。
アメリカ大陸では、エア・カナダのA220-300(45機発注、27機受領ずみ)にパナソニックeX1 IFEシステムを搭載し、全席で15カ国語のコンテンツが利用できるようになった。コンテンツには1,000時間以上のエンターテイメントを含む。A220は、衛星を利用した高速接続によるWi-Fiアクセスや、全乗客に電源コンセントも備える。
デルタエアラインズのA220-100とA220-300では、Gogo Wi-FiにアクセスできるシートバックIFEシステムを提供する。
ヨーロッパでは、クロスオーバー・ナローボディ機の飛行時間はアメリカ大陸よりも短い傾向がある。このため、IFEに対するアプローチも異なる。
例えば、ヨーロッパでE-Jet機(E1およびE2)を最も多く保有するKLMは、クロスオーバー機でWi-Fiとデバイス充電を提供するが、機内エンターテイメントは提供していない。ロンドン・シティ空港を発着するブリティッシュ・エアウェイズのE190は、IFEもWi-Fiも提供しない。
A220-100のグローバルローンチカスタマーであるスイスは、A220(A22-300も運航)全機に小型のスクリーンを搭載している。「iPhoneほどの大きさのスクリーンは、座席の上にあるPSU(旅客サービスユニット)パネルに取り付けられています。お客様向けの安全説明、ムービングマップ、コマーシャル、サイレントムービー(例えば、カメラ、アニメ、自然ドキュメンタリーなど)を映し出します」と広報担当者は説明する。「一方では、お客様に情報とエンターテインメントを提供し、他方で、客室乗務員の仕事を円滑にします」。
スイスはブロードバンド接続をまだ提供していない。「航空機の受領時点では、A220の接続に関する認定された技術的なソリューションはありませんでした」と広報担当者は説明する。「スイスは、コネクティビティを導入するオプションを検討しているが、まだ何も決まっていない。
エアバルティックairBalticも小型スクリーンを使用して同様にセットアップしているが、機内ネットワークとしてエアバルティックSKYサービスも提供し、乗客はモバイルデバイスで機内食の注文やショッピングもできる。
大画面、小画面、携帯端末と、クロスオーバー・ナローボディ機の運行各社は、航空機が提供するIFEや接続サービスに、各路線と同じような多様性を持たせようと志向している。■
Crossover Jet Operators Opt For Variety In Cabin Connectivity And Entertainment | Aviation Week Network
Bernie Baldwin May 09, 2022
クロスオーバー・ジェット運行各社は機内接続とエンターテインメントに多様性を求める|Aviation Week Network
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