オーストラリアが2月21日より入国制限を緩和。観光客の利用増に期待感。

 

ーストラリアがワクチン接種済み渡航者に国境を再開放した。ただし、到着客には一部ルールがそのまま残る。

 オーストラリアは2月21日よりワクチン完全接種済みに限り、入国制限を撤廃し同日だけで到着便50以上が対象となった。ただし、入国制限措置前には毎日国際線300便超が運航されていた。ただ、オーストラリアのエアライン産業と各空港はこの新措置を前向きにとらえ、数カ月で事態は以前の状況に近づけたいとしている。

 二年にわたり国境を封鎖してきたが、国政選挙が近づいており、スコット・モリソン首相は有権者の寛容な態度を期待し、先週末こんな発言をしていた。



「もう待たなくてもよい。世界で120万人もののひとびとが入国査証を待っており、入国してくる。24時間以内に56便が我が国に到着する。今後到着便数は増える」


 ただ120万人は公認COVID-19ワクチンを二回接種しないと入国は許されない。ブースター接種は必要としない。渡航客はPCR検査あるいは抗原検査を出発前に済ませる必要がある。オーストラリア各州等でも到着後に検査を実施する。ただし、14日の自主隔離を自己負担でホテルで過ごすよりましだろう。

 最新のオーストラリア入国ルールはavailable hereを参照のこと。オーストラリア各州等で独自のルールを設けることができるが、おおかたこれまで2年に渡る検査体制、隔離措置に辟易する利用者の不満が高まっていることから穏便な連邦政府措置に準拠すると見られる。ただし西オーストラリア州は別で、3月3日以降に入国を緩和する。


お金を落とす観光客に期待


オーストラリアには2019年実績で10百万人の観光客が入国していた。上位国は中国、ニュージーランド、南朝鮮、日本、シンガポール、英国、米国だった。そのうち、最上位の中国、ニュージーランドからの訪問客は自国内で海外渡航制限がまだ残るため、今回の措置の対象とならない。

 年間10百万人という規模は世界で見れば大きくないが、一旦入国すれば長期滞在の傾向があり、その他各地の観光客より落とす金が高くなりがちだ。10百万人が支払った金額は435億米ドルになっていた。エアラインでも オーストラリアの長距離路線を配慮し高額運賃を設定しており、恩恵が生まれていた。

カンタスは今週だけで14千名の利用を見込む。2月21日に同社CEOアラン・ジョイスは「オーストラリア政府による発表からオーストラリア旅行の再開を歓迎する向きが多いことがわかり、当社でも英米両国からの予約は好調です。南アフリカやカナダがそれに次ぐ勢いです」と述べた。


主要空港の動向

メルボルン空港でも2月21日に国際線到着芽数便あり、シンガポール、プーケット、オークランド、デリー、ドバイ、ロンドン、東京とあった。国境封鎖前の同空港では毎月100万名が利用していたが、2021年9月には1万名程度に落ち込んでいた。

 「国際線各社は入国規制緩和に前向きな反応で、メルボルン便は再開、増加の動きが活発になってきた」(メルボルン空港航空部長ローリー・アーガス)

 ブリスベーン空港には同日6便が到着し、1500名が入国した。国境封鎖前の一日15千名と比べれば遥かに少ない。同空港では来月にかけ国際線便数が25%増えると見ているが、COVID-19前の状況に戻るには3-5年かかると見ている。

 「苦しい24ヶ月を経て、ブリスベーン空港はやっと関係先とともに観光客利用の復活に前向きに進み、クイーンズランド州を世界に再びつなぐ日が視野に入ってきた」(同空港)

 シドニー空港にも同日国際線到着便が着陸した。カンタスのA380がQF12便としてロサンジェルスから到着した。オーストラリアで利用客が最多の同空港が同日到着の便の半数近くをさばいた。■


Australia Reopens To The World: What You Should Know

BY ANDREW CURRAN

PUBLISHED 1 DAY AGO


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